今日は美容院にやっと行かれた。けいちゃんと初めて会った【7月13日】から実に3ヶ月以上行っていなかった美容院。でも、高校時代から通い慣れた美容院だったので、特にもうその場所に行ったからといって、けいちゃんのことを思いだしはしなかった。帰りにいつも立ち寄る店で洋服を買ったりして、帰ったらもう辺りはすっかり夜の帳が降りていた。
遅い昼食を食べて、11月と12月のダイビングの予定なんかを決めるためにネットサーフィンをして、ふとメールが来ていることに気付いた。
それは衝撃のメールだった。実は、すっかり失念していた(というか連絡を貰っていなかった)ので、頭からすっぽり消えてしまっていたのだけれど、例の関係が曖昧な状態になっている元彼が現在博士課程に通うために住んでいる国から、日曜日(多分)に一時帰国するようなのだ。突然このようなメールが来た。
「明日、出発しますよ。月曜にでも、会いに行こうと思うけれど、七海さんの病院の予定とかはどうなっているのかな?では日本で。」 彼の件については主治医から
「彼の帰国が近付いたら考えましょう。」と言われていて、自分でも考えないようにしていた。で、彼も帰国について何の連絡もしてこなかったから、
「11月半ばの学会に合わせて帰国する」ということしか知らなかった。まさかもう帰国してくるとは…。思ってもみなかった。彼にメールで「もう彼とは付き合えない」と言うことを伝えるきっかけも無くなってしまい、正直この突然のメールに激しく動揺してしまった。
Yさんと別れてしまい、精神的に弱い状態にある今、彼に会ってしまえば、また自分の理性とは裏腹に彼に頼りたい気持ちが出て来てしまうような気がして、とても恐ろしい。ましてや彼に会って「別れ」を告げるなど、今の自分にはとても出来ない…
それがきっかけで鬱になるのが目に見えている。自分勝手な話だけれど、彼とはもう付き合えないと分かっているのに、彼に別れを切り出せない弱虫の自分がいる。
そして、彼は変わらず今も私を愛し、私を生涯のパートナーになる人と信じている…。
主治医に
「彼の帰国が近付いたらもう一度考えましょう」と言われていたが、あいにく診察もカウンセリングも1週間後…。それより先に彼が帰国してきてしまう…。
彼はいわば自分の
鬱がひどくなり休職をしたきっかけなのだ。だから会うことや電話で話すことで、自分がおかしくなってしまうのではないか…。そういった恐怖に駆られてしまう。
とりあえず彼にメールした。
「 東京にはいつ到着するのかな?私は月曜はマッサージ、火曜はエステ、土曜は病院です。いつ会うかは…ちょっと今家では会えないと思うので、考えておくね。」これしか、書けなかった。
「会いたくない。」とは書けなかった…。彼から返事が来た。
「東京には日曜の晩につきます。負担にならないときでいいからね。では、日本についたらまた連絡します。」正直電話で話すのも嫌だ…怖すぎる。こんなの自分勝手だと分かっているけど、そもそも私の
鬱が職場に行かれなくなるほどひどくなったのは、去年彼が一時帰国したことがきっかけだったから。
彼(日本人・31歳・博士課程学生)とは4年前に出張先で知り合い、海外在住同士で遠距離恋愛を1年半、その後日本に帰国して1年間遠距離の関係を続けた。私の
ボーダーの症状がひどかったこともあり、何年間も離れ離れで会えない彼との関係に「自分に彼がいるという実感が全く湧かないこと」そして性格の不一致、彼の性的な問題行動などにより、私の中で「彼に対する嫌悪感」が増していった。
昨年5月に彼が一時帰国した際に、彼の両親と私の両親をまじえて会食をしたことがきっかけで(私は恋愛
ボーダーに加え、過去の経験から相手の家族に対する嫌悪感や恐怖感というトラウマを抱えていた)、ひどい
鬱になり1ヶ月間食事もとれず、全身に蕁麻疹が出来て、結局仕事に行かれなくなり、休職することになった。その後彼とは半年間全く連絡を取らず、その後月に1回位の割合で短いメール交換をしていただけ。
彼とはずっと遠距離恋愛だったけれど、その代わり世界中を一緒に旅行して、沢山の思い出も作ってきたし、彼には彼の良いところがあり、また彼の条件は私の求める「理想」にはピッタリ…
でも、彼をもう愛することは出来ない。それは、まず第一に彼は「離れ離れ」であることを苦にしない。一人暮らしで
鬱病になった私は、「常に側にいてくれる誰か」を求めている。でも、彼は決して曲げられない「学問の追及」に没頭し、私の側にはいてくれなかった。
そして彼は人間関係の構築が非常に苦手で、口数も少なく、自分の意見を決して言わない。そのくせ、自我がすごく強くて、決して自分を曲げない。思ったことは全て口に出してしまい、コミュニケーションに重点を置く私とは大違い。
今まで彼の意思で彼から電話を貰ったことは、1度もない…。これって、普通じゃないよね?
そんな彼は、私の病気を理解し、応援し、励ましてくれている。そのことは分かっているけれど、私に「言葉」では伝えてくれない。私は辛い時に、特に
鬱になった時に、ぎゅっと抱き締めて
「大丈夫だよ。七海は悪くないよ。病気が悪いんだよ。」と包み込んでくれるような人を望んでいる。彼は私の病気を分析し、理論で解こうとする…そう、典型的な「学者タイプ」。でも、私が欲しいのは単なる「温もり」…。
それから、彼とは性的な部分でもうまくいかない。彼はED。それでも、お互いに夢中だった時は、愛情でカバー出来ていた。彼は
「七海が幸せな気持ちになれることが僕の幸せだよ。」と言ってくれた。でも、私は彼が感じることが出来ないことに負い目を感じていて、治療して欲しいと彼に言った。でも、彼はこう答えた。
「いいよ、別にそんなことしなくても。」私はこの言葉にショックを受けた
。「セックスは愛情を高めあう手段のひとつ」そう思っていた私は、彼がそれを
「そんなこと」と言い放ったことにショックを受けた。結局彼は薬を使ったけれど、その行為はもう「愛情を高めあうもの」から逸脱していた。
彼は私が初めての彼女だった。だから当然性に関する知識も無かったし、キスの仕方すら知らなかった。それは問題じゃない。ただ、問題なのは、彼の頭にある「性の知識」は全てアダルト・サイトやアダルト・ビデオや雑誌から得た情報…。そんな話を何故か私に常に話す様になった。例えば
「わざと妻を他の男と寝かせて、ゴム無しで射精させて、それを掻き出しながらやることに快感を覚える人がいるんだよ。」とか、そんなどうでも良い話をその度にする…。私は段々不快感を覚えるようになった。
そして、例えば台所にいる時、居間にいる時、何気ない普通の話をしている時に、突然勃起した局部を見せてきたり、性行為の真似事のようなポーズをしたりした。私にはそれがだんだん苦痛になっていった。
さらに、彼はMで
「叩いて欲しい」とかそういうことも言った。なんだか全てアダルトビデオか何かをそのままなぞっている様な気がして、私にとって彼との「性」に関する時間は、「愛情を高めあう時」ではなく、
「耐え忍ぶ時間」になってしまった。やがて私に「性」に対する嫌悪感が湧いた。最後に、最大の理由とも言えること。私は今は休職しているけれど、世の中の多くの人間の様に「組織」で働き、嫌なことも乗越えながら「社会人」として生きてきた。でも、彼は
「自分はネクタイを結ぶような仕事は出来ない。」「自分は組織で働くことは無理だ。」と開き直ったように言う。じゃぁ、この世の全ての人間が、果たして「組織で働きたい!」と心底思って働いているのだろうか?私は…違うと思う。
組織で働くのが向いていなくても、ネクタイにスーツなんて格好で仕事したくなくても、皆お金を稼ぎ、将来設計を立てるために働いている…。でも、彼はそれを否定する。
「自分は結婚しないし」…とか、子供みたいな屁理屈を言って、自分の道を貫き通す。研究をすることが悪いわけではない。ただ、そういう「組織で働く人間なんかに絶対なりたくない。」と、ある意味組織で働く社会人の苦悩も知らずに凝り固まった考え方を持っているところ。それが私の一番耐えられないところかもしれない。
偏見かもしれないけれど、組織で働いたことの無い研究者などは偏った考え方をしている人が結構いる。それは、組織で働いていると「自分の意思や希望」は叶わないことが多いし、上の命令で不本意なこともやらなければいけないし、自分が悪くなくても謝らなきゃいけないこととか、沢山ある。そういう経験を経て、ある意味人間は社会人として視野の広い人間に成長していくのだと思う。ところが、そういう「苦境」を避けて来た人間は、自分の考えに固執して、それが叶わないなら「別にいい」とすっぱり切り捨てる傾向にあるように思う。彼にはそれが顕著なのだ。
そう…私は彼を
「ある日突然何の理由も無く嫌悪するようになった」と思って自分を責めていたけど、彼を愛せなくなった理由はこんなにも沢山あったのだ。それが溜まりに溜まって、
ボーダーの症状とごっちゃになって噴出したから、最初は「理由」が見えなかっただけ。
ただ、このことをどうやって彼に伝えれば良いのか、思いつかない。彼は決して悪い人ではないし、とても誠実で優しく思いやりのある人でもある。思いのすれ違いはあったけれど、今の今まで私を待ち続けて、帰国して真っ先に私に会いに来ようとしていた彼…。
どうしたら良いのだろう?今、私にはパートナーがいない。もしいたら、また違っていたかもしれない。素直に自分の思いを告げ、新しいパートナーがいるということを言えば良いだけ。自分の心が動揺しても、愛する存在がいれば揺らがないだろう。
でも、一人ぼっちの私は、彼をひと目見たら、上述のようなこと全て忘れて、寂しさだけで彼に擦り寄ってしまいそうな気がする。この点で私はものすごい脆弱だ。彼の目を見ながら、ここに書いた事実を話すなんてこと出来ない。
なんで今帰ってくるのだろう…。このままうやむやな関係でほったらかしにしておきたかった。物凄い自分勝手だけど、今必死で
鬱から自分を引きずりあげている自分にとって、彼の存在は藪から棒だ。
彼の衣類や日用品が私の家に沢山ある。
彼の実家に送ってしまい、メールで別れを告げようか?でも、それは、4年間私を信じてくれた彼にとって、あまりにもひどい仕打ちではないか?少なくとも自分が逆の立場だったら…想像するのも恐ろしい。
自己・鬱・ボーダー・彼 その狭間で私は彷徨っている。
嵐の中のちっぽけなボートみたいに…。
いずれにせよ、波に飲まれてしまいそうで怖い。