魂の涙〜メメント・モリ〜

7年前から境界性人格障害(ボーダー)、2年半前に鬱が発症、通院を開始。鬱、ボーダー闘病中の七海が辛い失恋を乗越え羽ばたいていくありのままの姿。※重い内容なので連鎖鬱にご注意下さい。

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§ 懺悔…そして許し

今日は通院日だった。主治医に会うのは1週間ぶり。私の通っている病院はカウンセラーと医師が連携しているので、カウンセラーから私が主治医から言われた「生きたいと思うこと」について悩んでいるということを聞いていて、それについて少し話をした。

自分が何故「生きたい」と思えないか…。
正確には「生きたい」と思うことはどうやったら出来ることなのだろうか?そういうことを、医師は尋ねた。私は正直に、幸せの絶頂にいても、例えば希望の就職先があって、頑張っていた頃も、そこに就職して願いがかなって幸せだった頃も、世界中のありとあらゆる国を旅行して、最高の感動を何度も感じた時も、「常に今死んでも全く後悔は無い…人生に遣り残したことは全く無い。」そう思い続けていることも話した。主治医は、こう言った。

「やはりそれが七海さんの死生観なんですね。でも、私が1番に言いたかったことは「仕事に復帰したいと思うこと」であって、それについては七海さんもよく分かっているようだから、その「死生観」については、カウンセリングなどを通じて、やがて道が開けていきますよ。あまりそこにこだわって悩み過ぎないように。」

自らの意思で「仕事復帰したい」と思わなきゃ仕事に復帰すべきではない…これは私も良く分かっている。これに対して主治医に対する疑問は全く無い。それは過去に経験したことだから。過去に「仕事したい」と思って仕事をしてきたから、どういうことなのか良く分かる。

ただ、「生きたい」と思うことは、過去に経験したことが無いから、分からないんだと思う。ただ、けいちゃんに出会って、本の短い間だったけれど、「けいちゃんのためにも生きていたい。」と思えたことがある。

そこがキーポイントだ…そういう風に主治医の先生は示唆していた。

もしかしたら、これからの出会いで、そうまた思える時が来るかもしれない…。それは分からないけど、焦らず考えていこう…そう思った。



ところで、今日主治医にどうしても聞きたいことがあった。それはけいちゃんに振られて、傷つきまくった私が、やがてけいちゃんを「憎む」ようになって、ひどいことをしてしまったこと。

私は、今までの恋愛において全て「見捨てられ恐怖」から相手を異常に束縛し、少しでも相手と自分の間に「違い」をみつけるとパニックを起こしてきた。そしてひどく傷つき、相手の知らない間に、心をズタズタにして、「魂の涙」を流し続けていた…。そんな私の心が、

「もう1滴の涙も流せない。限界だよ七海…!」

そう叫んだ時に、それは起こる。「相手への生理的嫌悪」…これを私はボーダーの典型例だと思う。理性では、「相手は私を愛し、尽くしてくれ、見守ってくれ、理解してくれている」と分かっていても、相手には理解できない私の中に出来る無数の傷のお陰で、それを作る相手を、心が勝手に「攻撃対象」にしてしまう。
 そうなった私はもう止まらない。相手の顔を見ることも、身体に触れることも、仕舞いには同じ苗字の人がTVに写っているだけで全身の血が逆流して沸き立つ。それほど激しい憎悪を、一体人はどうやったら抱けるのか…不思議な位恐ろしい憎悪。

私は2度とそんな恋愛は繰り返したくない。相手も自分もズタズタになるような、こんな歪んだ恋愛は終わりにしたい…そして、けいちゃんに出会って終わりに出来たんだと信じていた。そんな私がけいちゃんに「私を振った仕返しをしてやりたい」と思ってあんなことをした。

これは、私がボーダーに逆戻りすることなんじゃないか?

怖かった。自分がひどく恐ろしかった。だからどうしても先生に言いたかった。先生の反応は意外だった。先生はにっこり微笑みながらこう仰った。

「それは普通ですよ。振られて相手を憎む…1回や2回相手を傷つけたいと思って行動しても、それは通常の感情です。これが1年も2年も続いているならそれは病気です。でも1回や2回、誰にでもあることです。しかも、彼の会社に送りつけたとかではなく、彼個人に対してしたことでしょう?それなら全然問題ないですよ。1〜2回繰り返し、やがて忘れていく…普通のことです。こんなことで心配しないで下さいね。」

先生は笑っていた。私はその微笑に「許し」を見た…。

そして「安堵」に包み込まれた…。私は逆戻りしているわけじゃない。ありったけの愛の言葉を貰い、本気で愛した人に、突然振られたから取った行動で、ボーダーだとかだとか、そういうことは関係ないんだ…。何十億といる地球上の人間の1人して、当たり前の行動をしただけなんだ。

私はこの主治医の言葉に救われた。

辛いことはいっぱいあるけど、私はちゃんと回復への階段を上っているんだと思えた。

魂の涙は、無駄に流しただけじゃないんだ…。
秋の空がまぶしかった。




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2006/09/16/Sat 23:59:59  病気のこと/CM:3/TB:0/
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COMMENT

少し,楽になられたようですね(^^)  from - はたけ
七海さん,こんにちは.

いっぱい涙を流してきましたね...自分を責め立ててきてしまいましたね...

でも,先生が言ってくれた通りですよ.

誰だって同じ感情・同じ行動をしたことがあるんです.

人に迷惑かけながら,みんな生きているんだと,私は自負してます... 

迷惑かけても,人の迷惑を受け入れて,共に支えあっていくのが,生きることの現実だと思います.

七海さんが先生の言葉で,ちょっとでも楽になれて,嬉しいです.
2006.09.17-15:44/はたけ/URL/EDIT/
人間として  from - ピースうさぎ
七海さん
こんばんは。

確かに、自分をふった人間をうらんだり憎んだりする、
それは人間として自然の営みですね。

それ故いろいろなドラマや事件が生まれる、
これも人間の歴史が語るところです。

七海さんは人間としてふつうの反応を示したのですね。
その感情のうねりが文章に浮かんできます。

この文章を読み終えて私は七海さんの

「人間としての美しさ、気高さ」を

感じてしまいました。

勇気付けられました。

私も生きてゆく前向きな気持ちが持てそうです。


2006.09.17-22:37/ピースうさぎ/URL/EDIT/
★コメントありがとうございます★  from - 七海
v-22はたけさんへ

心の病を持っている人間って、どうしても臆病になってしまいますよね。自分は病気
だからこんな行動をとるんじゃないか、これは普通のことじゃないのでは?どうせ病気
なんだから…自分を責めてしまうこと、健常者以上に多いと思います。それが、先生に
「それは七海さんが病気だからじゃなくて、人間だからそう反応しただけですよ。」って
行って貰っただけで、ふっと全身の力が抜けたようでした。「自分の思い違いだったんだ」
そう思えるだけで、解放されることってありますよね。それが医師やカウンセラーの力だと
私は思います。病気だからじゃなくて人間だから…そう思えるだけで、私達には嬉しい
ことです。そんな気がしました。


v-22ピースうさぎさんへ

本当に冷静に考えれば、今回の恋愛が終わってしまったのも、全て私に非かあるわけ
じゃないですし、全て私の病気が原因ではないのです。どうしても自分が病気だと、
それを負い目に感じて、みんな自分の病気の所為にしてしまう…。でも、病気じゃなくても
失恋はするし、振る人間も振られる人間もいる。それを、私は「またボーダーがひどく
なったからこうなったんだ…。」そう結び付けて考えていました。でも、それは実は
ボーダーも何も関係なくて、一人の人間としての行動であり、結果だった…。それを
自分で気付くのは難しいですよね。心の病気は線引きが難しいから。でも、医師にそう
言って貰えて、私は勇気を貰いました。この勇気がピースうさぎさんにも伝わって
嬉しい限りです。
2006.09.17-23:54/七海/URL/EDIT/

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